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『15歳 サッカーで生きると誓った日』逆境に負けないサッカー選手の姿に勇気をもらえる一冊!

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ある程度プレーを続けているサッカー選手であれば、一つや二つの挫折や逆境を乗り越えた経験はあるでしょう。試合に出ることができない、所属チームの降格、ケガによる離脱などなど、表には出てこない部分もあるかもしれませんが、全く挫折なく選手生活を続けてこれたという選手はまれなはずです。

 

今回僕が読んだ『15歳 サッカーで生きると誓った日』という本を書いた梅崎司選手も数々の逆境や困難を乗り越えてきた選手です。

 

 

ただ、最初に梅崎の本を目にした時に僕は正直こう思いました。

 

「確かに梅崎選手はプロで10年以上続けている素晴らしい選手だけど、何で今本を出すんだろうか?」

 

梅崎選手は大分トリニータのユースからプロに昇格し、その後海外挑戦も経験しA代表に選出されたこともあります。日本に帰国後は、レッズでタイトル獲得にも貢献するなど、10年以上プロの世界で活躍するプレイヤーです。ただ、とはいえ、彼よりも実績が上の選手や、現役で今なお活躍している選手の中に本を出していない選手も沢山います。そんな中、なぜ彼なのか?そのことに疑問を感じたわけです。

 

ただ、実際にこの本を手に取り、彼の人生を辿ってみて、なぜ彼がこの本を出したのかその意味がよくわかりました。

 

梅崎選手は想像以上に困難な道を歩んだ人だった

プロのサッカー選手であれば、みんな困難な道を歩んできている。確かにそうです。ただ、梅崎選手の人生は、困難のレベルが違いました。

 

というのも、この本にも書いてありますが、梅崎選手の家庭では彼が子供のころから、父親が母親に対して暴力をふるう、いわゆるDV夫だったんです。

 

「バン!ドン!バーン!!」

寝ていると、突然大きな物音が聞こえてきた。隣の部屋をそっと覗いてみると、父が母を殴りつけていた。

最初は何が起こっているのか分からなかったけど、ただただ怖かった。すぐに布団に潜り込んで必死で耳を抑えた。

それが日常化していき、いつしかぼくは父の殴る音や母の悲鳴が聞こえた瞬間にトイレに逃げ込んで、震えながら音が鳴り止むのを待つようになった。 

引用元:『15歳 サッカーで生きると誓った日』p10 著者 梅崎司 東邦出版

 

幼いころから父親から母親に対しての暴力が罵声が続く過程で育った梅崎選手。これ1年とか2年の話じゃないですからね。なんと彼が大分トリニータのユースに合格した中学3年の年まで、ずっと続くんです。この年にご両親は離婚して別々になったことでなんとかDVは終わりを迎えるんですね。とはいえ子供のころから10年ほど日常的に家庭内暴力が行われる環境だったというわけです。

 

梅崎選手は幸運にもサッカーという好きなものに出会い、家庭での嫌な現実を払しょくするかのようにサッカーにのめりこんでいく、いやっ、サッカーに逃げていたと言ってもいいかもしれない。それぐらいつらくて、しんどい毎日が彼の日常だったんですね。正直、普通の人なら嫌になってサッカーも辞めていただろうし、下手すりゃぐれてどうしようもなくなっていた可能性だってある。

 

それでも母親の応援やご自身の努力の甲斐もあって、挫折を繰り返しながら、小、中学校は一途にサッカーを頑張り、大分トリニータユースに入って、そこでもまた挫折や失敗を繰り返しながらプロのサッカー選手になる。さらに、そこからも挫折や困難な道の連続。僕なら心が折れてしまいそうだなんて思いながら本書を読み進めていました。なんというか、もう単純にすごいという言葉しか出てこなかった。それぐらい、梅崎選手は大変な道を歩んできたんだなというのがこの本を読むとわかります。

 

梅崎選手の姿から勇気をもらえる人は多いはず

正直言えば、梅崎選手と同じような環境でつぶれてしまったり、道をそれてしまう人の方が多いと思います。人間ってそんなに強くないし、ましてやこれだけ過酷な状況の中で育てば、人によってはそれがずーっと人生に影を落としてしまうなんてこともあるかもしれない。だから、軽々しく「梅崎選手も頑張ったんだから、あなたも頑張ろうよ」となんて言ってはいけないとも思います。苦しさなんて人それぞれだし人が出来たからあなたもできるというのは違うと僕は思っています。

 

それでも、この本を読み梅崎選手が生きてきた過程をたどってみると、背中を押してもらえたり、勇気をもらえるっていう人は多いでしょう。心が折れそうなとき、困難な道を歩んでいるとき、彼の人生を知り、彼が歩んできた道をこの本を通じて知っておくことは、アスリートだけではなく多くの人を励ますことになるんじゃないかと思います。

 

時には逃げることも大事であることを学んだ

あと、僕はこの本を読みながら思ったのは、「時には逃げることも大事である」ということです。

 

先述したように梅崎選手の家庭では長年家庭内暴力が続ていたわけですが、離婚しご両親が別れることで暴力からは逃れることができたわけです。これって、ある意味では逃げたとも言えるのかもしれません。でもその逃げが結果として家族を救うことになった。これって非常に大事なことだと思うわけです。

 

世の中には「家族だから」とか「自分が耐えればいいのだから」という理由で、理不尽な暴力にあったりしても、逃げてはいけないと思い込んでしまう人がいます。また、世間や社会の方からも「家族は一緒にいなければならない。」「家族は助け合うものだ」という考えを個々の家庭に対して押しつけてくるケースもあります。もちろんその考えは素晴らしいものだと思うし、それを自然に実行することができればいいのでしょう。

 

でも、世の中には本当にどうしようもない状況、その場にいたら被害がさらに大きくなってしまうケースや、苦しくて辛くて、これ以上はもう無理だっていうこともあります。それこそ梅崎選手の家庭にように、「このまま父親と一緒にいたら家族はどうなってしまうのか」ということもあるわけです。そういう場合には逃げることも選択肢に入れておくべきです。逃げることは悪いことでも何でもない。逃げた先で体勢を立て直し、新たな人生を頑張ればいい。この本を読むとそんな事にも気づかせてもらえます。

 

まとめ

そんなわけで、今回は梅崎司選手の『15歳 サッカーで生きると誓った日』を読んだ感想を書いてみました。

 

梅崎選手の人生は想像以上に困難なものでした。そんな彼の人生を追体験することで、挫折や困難に立ち向かうことや、逃げた先で体勢を立て直してまた頑張ればいいことなど、人生を歩んでいくうえで大切なものを学べます。

 

このブログを書いている2018年4月現在で梅崎選手は31歳です。すでに選手としてはベテランの域に達している彼が、今後どんな活躍を見せてくれるのかが楽しみです。出来るだけ長く現役を続けてくれることを期待しています。

 

※虐待やDVについては、耐えたり、我慢しようとせず、相談機関に相談し、加害者から離れるということを第一に考えてください。

 

それでは今回はこの辺で失礼します。